ホーム > 研究 > 高速・高精度近接覚センサを用いた柔軟物の高速キャッチ

研究背景

 人と同じ空間で一緒に作業を行うことができる「協働ロボット」の普及に伴い, 非接触で物体や環境を計測する技術の需要が高まっています. 2019年現在,「測距センサ」を複数使用した近接覚センサが提案されていますが, 繰り返しの距離計測誤差が±2ミリ前後,計測時間は数十ミリ秒前後であり, ロボットハンドに応用するには低精度・低速なものが多いのが現状です. レーザ変位計を使用すれば高精度・高速な計測は可能ですが, こういった変位計はサイズが大きい欠点があります.また,距離ゼロミリメートルまでの計測は困難なため、 ロボット指先などに搭載するには不向きです.

高速・高精度近接覚センサ

私の研究では,指先サイズの高速・高精度近接覚センサを開発しています. 本センサは物体の色や明るさ(光の反射率)によらず距離と傾きを検出します. 計測時間は一般的な測距センサの1/10以下(<1ms)であり, 近距離における距離計測のばらつきは1/129以下(<31μm, peak-to-peak)です. 検出原理は過去に提案された方式 (増田ら,1981)を使用していますが, 我々はこの原理に適したアンプ回路を導入し,検出素子の光学設計を最適化することで小型化, 高速・高精度化を達成しました.


柔軟物の高速・小変形キャッチ

以下の例は,指先部分の近接覚センサフィードバックを用いて柔軟物(紙風船)を高速・小変形でキャッチするデモです. 近接覚センサで計測した値を基に紙風船の表面に向かって指先を正確にアプローチさせ, 距離の変化を基準にして接触タイミングを判定します.距離基準の接触判定は物体との反力がゼロであっても ぶつかったことを検知できるため,柔軟物をつぶす前に指先を停止させることができます. これにより,柔軟物を極めて小さい変形でつかむことが可能となります.


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発表文献

  1. Keisuke Koyama, Kenichi Murakami, Taku Senoo, Makoto Shimojo and Masatoshi Ishikawa: High-speed, Small-deformation Catching of Soft Objects based on Active Vision and Proximity Sensing, IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA2019), (Montreal, Canada, 2019.5.20)/Proceedings, pp. 578-585 (2019)
  2. Keisuke Koyama, Makoto Shimojo, Taku Senoo, and Masatoshi Ishikawa: High-Speed High-Precision Proximity Sensor for Detection of Tilt, Distance, and Contact, 2018 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS) (Madrid, Spain, 2018.10.3) / Proceedings, pp.3224-3231 (2018)